私は京都生まれの京都育ち。
そんな私にとって町家って、そんなに特別なモノでも珍しいモノでもなかったんです。
それより、古いわ、寒いわ、暑いわ、 と住むには不便なモンやろなぁ、って位でした。
そんな私が、町家の素晴らしさを知った理由は‥‥。
以前お世話になってた らくたびさんのオフィスがあった、築100年の京町家でした。
四条通りに面して建つ唯一の町家・四条京町家。
らくたびさんのお仕事でこの町家に通うことになり、そこのオーナーさんに町家の良さを教わりました。
町家は息づいてる。
生かすも殺すも人次第。
このオーナーさんは来られる度に、柱に語りかけられると。
ありがとう、元気か、がんばれよ‥‥。
しばらく人の出入りがなかった町家はどこか悲しそうやったけど、こうして声をかけているうちに息を吹き返したとか。
ほんとにそうだと思います。
うちのお家も私が来た時は、埃まみれで可哀想な状態でした。
何となくどんよりとしていて、風通しも悪い、そんな印象でした。
今に至るまでの奮闘記は後ほど‥‥
多くの方々の力と、私たちの思いが届いたのか、日が経つに連れ少しずつこのお家も息を吹き返してきた気がしました。
四条京町家のオーナーさんのお話を聞くことがなかったら、私は町家でお商売はしてなかったと思います。
第四話へつづく