このお家との出会いはインターネット。
四条京都町家での経験から、みんなが憧れる様な基本的な京町家を探してました。
奥に長い うなぎの寝床で、 通り庭があり、 おくどさんは無くとも、たたきに水回りがある。 格子や、虫籠窓、奥庭には蔵がある。
でもね、9年前は町家ブームの真っ只中! 不動産屋さんに行っても、こんな素人は相手もされませんでしたよ。
どことは言いませんが、京都で町家を扱う不動産屋と言えばここ、ってとこには「けんもほろろ」の対応をされました これはどうもならんし、自転車で街中を回って物件探ししよ、と思いながら並行してネットでも探してました。 なかなかネットでも情報はなくてねぇ。
そんな中、このお家は契約が決まらずなのかずーっとネットに掲載されてました。
他の物件を探しながらも、何度も何度もこの物件が出てくるんです
でも、予算より高いし、路地に面して人通りのない場所やし、何より古くて汚い
大家さん、ごめんなさい 掲載されてる写真があまりにも雑で
その時には、花街・宮川町と言うことには全く興味もなく、私には無関係だと思ってましたが‥‥ 実際に訪れてみて、改めてこのお家でお店をやりたいと思いました。
古さが魅力、 うなぎの寝床の町家には無い魅力がたくさんありました。
町家は息づいてる。 生かすも殺すも人次第。
この町家は今は息を潜めてるけど、 生かすも殺すも私次第。
その言葉をぼんやり考えながら、 周りの反対を押し切り、始めたお店がろじうさぎです。
約築100年だったこのお家も、 もうすぐ約110年になります